ストーリー  

株式会社motoyu
半田守 活用

協同組合にはどのような経緯で参画されたのですか?

百森の中井さんと田畑さんに、今まで西粟倉村でばらばらだった林産業に関わる企業を、1つにしてやっていきたいというお話を頂き、我々も林産業に恩恵を受けている企業なので参加させて頂くことになりました。

改めて、motoyuは何をしている会社なのでしょうか?

木質バイオマス熱供給事業、宿泊事業コンサルティング事業と主に3本立てなんですけど、宿泊事業と木質バイオマス事業っていうのが実業ですね。バイオマス事業としては村の中で製材できない丸太を買い取ってボイラーで熱に変えて販売しています。曲がっているものが多いほかに、シミや節があるもの、小径木などが多いです。原木はABCDとランクを付けられて、AB材は基本的に用材、木材として使われていますが、C材は合板に、D材がバイオマスにいくんです。D材は必ず出てくるのでそれを使っています。

そう考えるとmotoyuのバイオマス事業や取り組みは、林業の再生や活性化の上では必須項目となりますね。

林業を考えるときには、多くの場合、一番高く売れるところの売り先から考えるのですが、バイオマスに使う木材は最後に出てくるものです。でも木材価格が低い現状ではD材もしっかり活用していかないと成り立たないし、そこの出口も考えて林業をしていく必要があります。motoyuはその観点で重責を担っていると思っています。

協同組合に参加してから、motoyuとして変化はありましたか?

村の林業全体の流れを把握できるようにになったっていうのが大きいですね。今まで山側とのつながりがほとんどなかったんですけど、組合が出来たことによって全体の動きがガラス張りで見えるようになりました。当然ですけど山側の施業入っている方々は知る由もなかったので、どんな人がどんな感じでどんな材を切り出して、どんな材がうちに来るのか、今なんでこの価格なんだろうとか。林業経営全体を把握できるようになって、話せることも増えました。だから僕ら側からも、この組合をうまく活かしていきたいです。

これからこの協同組合やチーム西粟倉がどうなっていくといいなみたいな、という展望はありますか。

木材って地域によって価格差がつけられないですよね。でも西粟倉ではそれをつけようとしてるじゃないですか。その着地はまだ見えてないけど、そこに林産業関係者みんなで向かっているところが新しいと思っています。この木材は西粟倉産なんですよ、といって買ってもらえる人が増えてきたら面白いなと思います。

組合の中では、motoyuは縁の下の力持ちのような立ち位置ですね。

motoyuは木を切るわけでも加工をするわけでもありませんが、バイオマス事業には地域内循環を生むためのポンプみたいな、最終的な出口を下支えしているという存在価値があります。

これからのmotoyuはどのようなことに取り組んでいくのでしょうか?

実はバイオマスって、日本ではまだまだ普及していない。設備や初期投資にかなりの公共の補助がないと厳しいのが現状です。でもこのままだと山の価値を最大限活かせない。僕らは今、民間を通してバイオマスの機械を導入してちゃんと普及していく光が見えてきますよ、ということをやろうとしています。まずは西粟倉で発電事業を始めます。

最後に、一言お願いします。

僕らはちょっと特殊な立ち位置ですけど、組合のいいところを自分たちの事業にも活かしていけるような、他の皆さんの食べこぼしをエネルギーに変えちゃうようなハイエナ的な存在になれたらと思います。西粟倉全体で、山を使い倒していきたいです。